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木崎伸也 / 世界は日本サッカーをどう報じたか

footballistaのライターとしてもお馴染みの著者による新書。FIFAワールドカップ南アフリカ大会で日本代表が戦った4試合を各国のメディアがどう報道したのか、それを試合内容および試合結果と照らし合わせて分析し、日本が「次」へ進むための道を探る。参照さ…

速水健朗 / 若者の地元志向(朝日新聞2008/12/20付け朝刊)

速水健朗氏が朝日新聞に寄稿されているということだったのでチェックしてみた。見出し語は「若者の地元志向」、太字で「消えた東京へのあこがれ」「地域社会考える新たな芽に注目を」という概要説明。内容はここからおおよそ掴みとれるように、若者のライフ…

濱野智史/アーキテクチャの生態系

本書は濱野智史氏による評論であり、"アーキテクチャ/環境管理型権力"からウェブとウェブ上のコンテンツを、ひいては現在の社会を考察するという内容になっている。ここで肝となるのはタイトルにも含まれた"生態系"の概念である。ウェブとそこで展開される多…

1ページも中身を知らないぼくが『最終批評神話』を表紙だけで批評する

来る11月9日の文学フリマにおいて、ゼロアカ道場第四関門が開催される。基本的にぼくは門下生、道場破り組を問わず、そこで頒布される同人誌はすべて手に入れたいなと思っているのだが、それとは別に、現時点で特に注目しているものがひとつある。それは『最…

雨宮処凛、萱野稔人/「生きづらさ」について

雨宮処凛、萱野稔人両氏の対談集。タイトルのとおり、現代の「生きづらさ」がどこからやってくるのかを両氏が自らの経験を踏まえつつ語り合う。そこでは二種類の生きづらさがあるという。第一に、精神的な「生きづらさ」について。これは、そもそも人間が自…

大塚英志+東浩紀/リアルのゆくえ

1.物語消費論とデータベース消費の切断線2001年、2002年、2007年、2008年の4回に渡っておこなわれた大塚英志氏と東浩紀氏の対談集。2008年のものだけ語りおろしで、それ以外は既にそれぞれ異なる媒体で発表されていたものが収録されている。こうして1冊にま…

舞城王太郎 / イキルキス

ネタバレなしで一行感想。宇野常寛氏に目配せでもしてんのかと思った。内容自体はおもしろかったので、気が向いたらちゃんとした感想や考察を書くかも。

最近の読書事情

スクールランブル 『漫画をめくる冒険』に影響されて読み始めた。表現手法云々を抜きにしてもおもしろいと思う。 思想地図 増田聡氏による『データベース、パクリ、初音ミク』を読んだが、内容に違和感を覚えている。最終的な判断はもう一度読み返してからに…

ピアノ・ファイア・パブリッシング / 漫画をめくる冒険 〔上巻・視点〕

イズミノウユキ氏(id:izumino)による『漫画をめくる冒険』を読み終えた。非常におもしろく、良い批評だと感じた。本書は漫画論であり、個人的なことを記すとぼくは普段マンガをあまり読まない(もちろん嫌いなわけではない)。だから『漫画をめくる冒険』で中…

橋本紡 / 半分の月がのぼる空

ありふれた物語。凡作、という意味で"ありふれた"という言葉を使っているわけではない。ここにはぼくたちをエンターテイメントの世界に誘うような非日常はない。少年がいて、少女がいて、死があり、恋がある。ありふれたガジェットを用いて、ぼくたちは限ら…

ライトノベル強化月間

『イリヤの空、UFOの夏』に続いて『涼宮ハルヒの分裂』を読んでいる。特に考えがあってこの順序で読んでいるわけではないのだけれど、図らずもイリヤのどこに時代を感じていたのかが分かった。これはたぶん、セカイ系とかは関係ない。そのうち書こうと思う。…

秋山瑞人 / イリヤの空、UFOの夏 その4

戦闘美少女(ファリック・ガール)が恋する少女になることで、ぼくたちはそこに彼女の外傷を幻視し、彼女をヒステリー化する。そもそも戦闘美少女とは何だろう。それは戦う理由、つまり外傷性を欠如しながらも戦闘能力を有してしまった存在のことだ。では、…

秋山瑞人 / イリヤの空、UFOの夏 その3

伊里野加奈の希薄な存在感と空虚な主体は、あくまで記号的で、虚構の象徴のようだ。しかし、彼女に心理的変化--初めてお守りを欲しいと願った--が起こる。以前、彼女をピグマリオン系のファリック・ガールと表現したが、ここからその意味が反転を開始してい…

秋山瑞人 / イリヤの空、UFOの夏 その2

もし彼女が世界の均衡を維持するために戦っているとしたら、それは彼の日常を守るために戦っているという意味を持つのだと思う。『イリヤの空、UFOの夏』は、典型的なセカイ系的構造を抱えた物語であり、主人公のために戦う典型的な戦闘美少女の物語でもある…

秋山瑞人 / イリヤの空、UFOの夏 その1

今さらのように読み始めた。舞台は軍事施設の周辺地域。主人公・浅羽直之の住む世界は戦争に直面している。彼の通う中学校に転校してきたヒロインの伊里野加奈。彼女は軍に所属しており、第n次待機が発令されると、それが解除されるまで登校できなくなる。つ…

Snoozer#66のThe Libertines談義がおもしろい

Snoozerの#66に掲載された、音楽ライターどもによるThe Libertines談義がなかなかおもしろくて、ここからいろいろと考えられそうな雰囲気がしてる。オリジナルパンク世代の野田努氏とThe Libertines世代の若手ライター2名の鼎談を田中宗一郎氏が司会としてま…

古野まほろ著『天帝のはしたなき果実』

これは確かに賛否両論あるだろうな、という如何にもメフィスト賞らしいミステリ。本格であり変格であり、ファンタジーでありSFであり、それらを踏まえた青春小説であるという、それだけ聞くとおいしいところを全て押さえた宝石箱のように思えるし、個人的に…