critique

舞城王太郎の振る舞いとその同時代性についてのメモ

舞城王太郎の創作における振る舞いと、その手法から見える同時代性についての覚書。いくつかの作品についてのネタバレを含む。周知の事実だが舞城王太郎は覆面作家である。そのため、彼の声を直接拾い上げたインタビューなどは現時点では存在していないが、…

「ある日突然現れた女の子と◯◯し始める」アニメやラノベと社会の関係についての一考察

1.はじめに 本稿は以下のエントリの派生として記述されたものとなる。なお、以下のエントリは読まなくても本エントリでの考察の流れを追うことは充分に可能であることを予め記しておく。 涼宮ハルヒという名の物語の永続システム まず、上記のエントリについ…

『The idolm@ster』に内在するMADへの可能性の水路

ここ2〜3週間のことだけれど、ぼくはニコニコ動画上で『The idolm@ster』関連の動画を見始めるようになった。そうやってiM@SノーマルPVやライヴ風/PV風MADを見ていていくらか思うことがあったのでちょっとその思いつきを書いてみたい。ぼくが気になっている…

1ページも中身を知らないぼくが『最終批評神話』を表紙だけで批評する

来る11月9日の文学フリマにおいて、ゼロアカ道場第四関門が開催される。基本的にぼくは門下生、道場破り組を問わず、そこで頒布される同人誌はすべて手に入れたいなと思っているのだが、それとは別に、現時点で特に注目しているものがひとつある。それは『最…

若手批評家サミット2008に行ってきた

若手批評家サミット2008に行ってきたので感想を軽くメモしておこうと思う。ぼくは会場でメモを取らなかったのでこれから記憶を頼りに書くことになる。詳細なレポートとはほど遠いが、いち参加者の感想として読んでもらえればと思う。「若手批評家サミット」…

大塚英志+東浩紀/リアルのゆくえ

1.物語消費論とデータベース消費の切断線2001年、2002年、2007年、2008年の4回に渡っておこなわれた大塚英志氏と東浩紀氏の対談集。2008年のものだけ語りおろしで、それ以外は既にそれぞれ異なる媒体で発表されていたものが収録されている。こうして1冊にま…

初音ミクの主体、物語の断片、データベース

1.はじめに 『思想地図』vol.1に収録された、増田聡氏による『データベース、パクリ、初音ミク』を読んだ。その内容は、まず東浩紀氏の提唱したデータベース消費という概念をベースにオタク系文化と音楽の消費における相似と相違を比較し、次にこのような消…

『うみねこのなく頃に』は推理可能なミステリか否か

『うみねこのなく頃に』に関する考察。『ひぐらしのなく頃に』も含めてネタバレあり。『うみねこのなく頃に』が読者であるぼくたちに突き付けている"問題"は、大雑把に言って以下の2点になるのではないかと思う。 この連続殺人劇は人間の手による犯罪なのか…

『ネットラジオ-東浩紀のゼロアカ道場-』を聴く

最初の3分くらいを聴き逃してしまったんだけれど、東浩紀氏と太田克史氏のネットラジオを聴いた。その中でいいなと思った太田氏の言葉があったので引用します。若干再構成していますが、ニュアンスとしては間違っていないはず。 講談社BOXの読者として想定し…

初音ミクというキャラクターの行く末

少しばかり間が開いてしまったけれど、以下のエントリの流れに続くものとして書きます。 『初音ミクという固有名と二次元美少女の図像がもたらすもの』 『続・初音ミク』 そして後者のコメント欄にてアロハさんという方から以下の指摘をいただきました。 多…

『煙か土か食い物』に根差すものは動物的な想像力か

twitter上で展開した舞城語りから、その一部を転載。 舞城って純文学もエンターテイメントもやるから、最初期は越境的だと言われてたけどぼくにとってはそうではなくて、だからそれはたぶん評価軸が違うんだろうなと思う。もともと舞城は両方が混在している…

初音ミクという固有名と二次元美少女の図像がもたらすもの

最近の東京は寒い。ぼくはPコートの襟を立てて夜の街を歩く。耳にはイヤフォン、ポケットには第4世代iPod。コードを伝ってぼくの耳に流れてくる音楽は最近のヘヴィローテーションであるRadioheadやDaft Punkではなくてしかし、ネット上で拾った初音ミクの音…

『In Rainbows』に見るRadioheadの理想主義の変遷

イン・レインボウズアーティスト: レディオヘッド出版社/メーカー: Hostess Entertainment発売日: 2007/12/26メディア: CD購入: 3人 クリック: 67回この商品を含むブログ (66件) を見る去る2007年10月10日、Radioheadが最新アルバム『In Rainbows』を発表し…

自作解説:『妄想許可証』

同人誌『てん竺』に掲載された森野キツネ名義の自作を解説します。本作は四部構成。書き出すと以下のような流れになっています。 教室 妄想許可証入手 帰宅〜妄想開始 翌朝、妄想完成。登校(1) 妄想を彼女に話す。「2.自宅」へ 自宅 「1.教室」の出来事はす…

少女たちのポストモダン - ケータイ小説に見る彼女たちの記号的消費

【A面】犬にかぶらせろ!:ケータイ小説のリアルとは何か? 上記は今回、ケータイ小説への消費態度とはどんなものなのかを考える直接の契機となった。シンプルながらも示唆に富んでいたので、ここに引用させて頂いた。そしてこれを受けて、本エントリではケ…

Devendra Banhart / Don’t Look Back In Anger

デヴェンドラ・バンハートによるOasisの名曲"Don’t Look Back In Anger"のカヴァー。これはカヴァー・コンピレーション『Guilt By Association』に収録された1曲なのだが、ここにはなかなかおもしろい試みが仕掛けられている。このイントロ、John Lennonの"I…