『アイドル領域』に初音ミク論を寄稿(C78、8/15、東地区P-55b)

告知です。

C78の3日目(8/15)に頒布されるムスメラウンジ(東地区P-55b)のアイドル評論同人誌『アイドル領域Vol.2』にゲスト参加しました。タイトルは『複製技術時代のアイドル消費』。およそ18,000字ちょっとのアイドル/初音ミク論です。

そもそもぼくはアイドルという文化・事象とあまり接点を持っていないのですが、ぼくが以前書いた『初音ミクは出来ちゃった結婚の夢を見るか? - hybrid issue(s)』に対してムスメラウンジ主宰の斧屋さん(id:onoya)が興味を持ってくださって、このような運びとなりました。

『アイドル領域Vol.2』の特集テーマは「アイドルと身体」。ぼくもそれにあわせて、アイドルという存在についてぼくなりの考えを巡らせ、その上で敢えて初音ミクをアイドルと比較・検討しました。といっても、それは「キャラクターとしての初音ミク」と「アイドルのキャラクター性」の比較ではありません。ベースはあくまでアイドルの成り立ちとその身体性についてであり、その上で初音ミクの成り立ちとその身体性の無さはアイドルとどう比較できるのかを考え、両者の差異がどういった文化の違いを生むのか、また、その差異にもかかわらず近しい部分はどこにあるのかといったことを検討しました。その意味において、ぼくの書いたものはアイドル論でもあり、同時に初音ミク論でもあると思っています。ちなみにタイトルはベンヤミン丸出しですが、ベンヤミンに加えてレッシグボードリヤールにもふれつつ、議論を展開しています。

そして、本稿では初音ミク消費における基礎的な条件を示しています。書き上げたものを読み返してみると、ここから初音ミク創作の「自己言及性」につなげていけば、より体系的な議論として整理できそうです。「自己言及性」というのは、かつて『ユリイカ』の初音ミク特集(2008年12月臨時増刊号)で中田健太郎氏や円堂都司昭氏が参照してくださった以下のエントリでのテーマでもあります。これらも『アイドル領域Vol.2』のあとにチェックしていただけると、また楽しめるのではないかと。

それにしても書いていて非常に楽しかったです。ぼくが過去に書いた一連のエントリを楽しんでくださった方は、今回も同様に楽しんでもらえるものに仕上がっていると思います。どうぞご期待ください。

なお、『アイドル領域』はこれまでC77で創刊号が、第10回文学フリマで増刊号が発行されており、C78当日もバックナンバーがブースに置かれるようです。ぼくも既刊は読んでおり、その感想をいうと、内容自体は確かにアイドルについてのものですが、そこで使われるジャーゴンはオタク系文化で慣れ親しんだものでもあったり、あるいはそういったものも使われない、あまり閉塞感を感じさせない内容となっているので、アイドルオタク以外にも取っ付きやすい読み物だといえるのではないでしょうか。先述のとおり新刊のテーマは「アイドルと身体」で、目次からは、なかなかおもしろそうな雰囲気が立ち上っています。ぼくも一読者として楽しみにしています。

というわけで、8/15は東地区P-55bまでぜひお立ち寄りください。

  • アイドル領域Vol.2
    • 頒布予定価格700円、116ページ
  • 日時、場所